SIMロック解除=SIMフリー化ではないのか?
21年9月まで携帯ショップで買ったほとんどのスマホには「SIMロック」が掛けられていました。
SIMロックとは、自社の通信しか使えないように他社のSIMを使えなくする設定です。
例えばD社で買ったスマホをそのままではa社やS社などで契約しても使えなかった訳です。
ですが今までも一定条件で解除できましたし、10月からは原則SIMロック禁止となります。
「持ってるスマホで安い他社に乗り換えられるんだ~」と思いますが、そう簡単ではありません。
スマホの中には他にも障壁が残っているのです。
電波は飛んでるのに掴めないかも
1つ目の障壁が「対応バンド」です。
簡単に言うと会社ごとに割り振られたTVのチャンネルのようなものです。
同じバンドを使っている部分はありますが、全てではありません。
具体的にLTEで使用している主なバンドを挙げると
・D社=1,3,19,21,28,42
・a社=1,3,11,18,26,28,42
・S社=1,3,8,11,28,42
・R社=3 借り物としてa社の18
赤字は他社で使われていないバンドです。
そしてバンド21を除いて赤字は「プラチナバンド」として各社主力として使っているバンドでもあるのす。
(※プラチナバンドとは建物の中や基地局から離れた郊外でも届きやすい、周波数の低い電波を使用したバンドの事をいいます。 逆に高い周波数のバンドは届きにくいけど通信は速いですよ。)
そして携帯会社は自社のバンドだけを有効にして、他社だけが使用しているバンドは受信しないように加工して販売しているスマホがたくさんあります。
そうしてしまえば、たとえSIMを入れ替えて他社に移ったとしてもプラチナバンドが使えず穴だらけのエリアで使うことになってしまいます。あわよくば「何か他社は電波悪い!」と言って無知な客に戻ってきてもらえるかも…?
売る側にも「使うかどうか分からないバンドの試験までやるのはコストの無駄だ」など言い分はあるのでしょうが、SIMロックがかかったiPhoneなどがほとんどのバンドで対応した状態で売られているので、消費者にとっては都合の良い言い訳に聞こえちゃいますね。
対応バンドについては購入前に公式の製品紹介で調べることができます。
会社を乗り換えて使うかもしれない方はしっかりチェックしておきましょう。
標準アプリで通話できないかも
現在のLTEスマホは「VoLTE(ヴォルテ)」と言って標準アプリの通話でもパケット通信で音声をやりとりする物が標準になっています。 パケットではありますが最優先の特別な専用通路を通るので一般のパケットを使用したチャットアプリなどの通話に比べて音質や途切れにくさなどが確保されていてギガも消費されません。
ところでこのVoLTEは世界標準規格ではあるものの、細かいところは各社バラバラで互換性があまりありません。
なので他社で買ったスマホでVoLTEが使える保証はありません。というか、使えない方が多いです。
その場合「フォールバック」と言って一旦3G回線に繋ぎかえて各社共通の回線交換で電話を掛ける機能がスマホには付いています。
んが、最近ではR社のように初めから3G回線の無い会社や、大手を含め一部の格安プランなど3Gを提供していない場合はフォールバックも使えません。 ついでにガラパゴス規格で他社と互換性のないa社の3Gも無いも同然です。
そうなると発着信ともに標準アプリでの通話は一切できないことになります。
これは購入前に公表されておらず、基本的には「他社での使用は保証しません」としか答えてくれません。
中にはユーザーがレビューなどで対処法を公開してくれていたり設定でなんとかなる場合もありますが、その設定すら潰されている場合もあります。
「基本使えないけど、使えたらラッキー」ぐらいで行くしかありません。
警察、消防など緊急通報も出来ないのにラッキーとか言ってる場合ではないと思いますが…
これらを乗り越えて、やっと他社でまともに使える
ここまでお読みいただいた皆さまは、携帯会社の嫌がらせ(?)のヤバさ、SIMロックが解除できたからといって喜ぶのはまだ早いという事がよくお分かりいただけたのではないかと思います。
これらに初めから対応させたものが「SIMフリースマホ」として発売されている商品なのです。
そしてiPhoneは対応バンドが多く、SIMロックが掛かっていても解除すれば(正常に使える保障は無いものの)SIMフリー感覚で使えるところも人気の理由の一つです。
更に最近では2つのSIMを同時にセットして使える「デュアルSIM」が人気機能になりつつあります。
最後にこれを活用した節約法をご紹介しようと思います。
使い放題で月1265円!? 最新スマホ節約プラン
これは楽天モバイルの1GB未満0円通話し放題とmineoのパケット放題Plusを使ったものです。
節約の定番 楽天モバイル
1回線目の楽天モバイルは月間の通信料が1GB未満であれば基本料無料で、しかも通話アプリ「楽天Link」を使えば携帯/固定電話など一般的な相手への通話が無料です。 これ、VoLTEじゃなくて一般的なパケットを使ったいわゆるIP電話の発展形なので安いんです。(それでも無料は安すぎ)
なので通信状況によって音質もすぐ悪くなる弱点がありますが、私は割り切れば使えると思います。
どうしても我慢できなければ有料の標準アプリ通話もあります。
月1GBも通信しない人であれば無料ですし、3GB使っても税別980円です。 エリアも穴が多いですが、許容できる人にはこれだけで最安クラスでしょう。
楽天と好相性のmineo
もっとギガが欲しい人、楽天エリアだけでは不安な方にオススメなのが2回線目のmineo(マイネオ)です。
880円でドコモ、au、ソフトバンクどれでも選べる1GB付きのバックアップ回線ができます。
そしてmineoの面白い所は6月に始まった「パケット放題Plus」と「ゆずるね」です。
パケット放題Plusとは
これは月額385円をプラスすることで、1.5Mbpsとそこそこの速さで実質使い放題になるサービスです。
Youtubeの標準画質ならほぼ途切れず見ることができ、ツイッターでも画像が1拍遅れて表示されるぐらいの感覚で普段使いならそんなに我慢している感覚も無く使えます。
3日で10GB使うと制限にかかりますが、起きてる間ずっと動画を垂れ流すような極端な使い方でなければまずかかりませんし、使い過ぎお知らせ機能もあります。
ゆずるね とは
これは月~金のお昼12時台、mineoでパケット通信をしないことでポイントが貯まるサービスです。(要設定)
このポイントを貯めてもらえる特典で一番お得度が高いのが「夜間フリー」です。
なんと翌月の23時~翌7時は速度無制限でネットが使い放題になります。
ギガ消費なしにアプリの更新などもサクサク終わるので、Wifiが無い環境の方はとても助かるんではないでしょうか?
この2回線を組み合わせて…
楽天はまだエリアに穴が多いので、mineoのドコモやau回線がバックアップになります。
楽天Linkは楽天が圏外でmineoやwifiのみのネット接続でも電話をかけられます。
一方でmineoは昼休みの通信の遅さがネックです。そこでこの時間帯だけは高速な楽天の通信を使い、mineoで夜間フリーをゲットしましょう。昼休みに動画の視聴は避けるなど工夫すれば楽天も無料の1GB未満で収まるでしょう。
このようにデュアルSIM対応のSIMフリースマホであれば1台でそれぞれの弱点を補いつつ快適な通信環境が安く手に入っちゃうのです。
今後の携帯会社やスマホ選びの参考にしていただければと思います。
では、ばいば~い
長っげぇなコレ…
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